UTMBのポイント獲得のためにエントリーしたレース。
夏の駅伝レース後のモチベーションの急下降により、ほぼ練習せずにレースに臨む。
練習といえば、せいぜい山手線ランの40km弱を一回走ったのと、先週末の生田緑地での30km程度。
それでも制限時間が緩めなので完走はできるだろうとは思っていた。
天候は台風が近づいていることもあり、曇り時々小雨。ランのコンディションとして悪くない。この時期のレースでは、晴れると暑過ぎてつらいから。
意識したのは、今までのウルトラレースでの反省をいかして、前半は下りで飛ばさないこと。それだけ。
スタートから1A、2Aあたりまでは下りを抑えつつ順調。
3Aの前あたりから左足の足裏に違和感を感じ、小石でも入ったかと思ったが、実際は左足首の捻挫防止に履いていたサポーターの違和感だった。
3A後の川沿いの道あたりでスタミナ切れを感じ始める。GARMINを見るに平地でもキロ7ぐらいかかっている。スタミナ切れかと思い、塩熱サプリや乾燥梅干しを摂り、なんとか6分半ぐらいのペースに持っていくもなんだか調子が上がらない。スタミナ練の足りなさの結果。
その後、狭いトレイルに入ってからはだいぶ回復したので、どうやら、疲れた身体で開けた場所を走るのが苦手なのかもしれない。
4Aを過ぎるとなだらかな砂利道の上りが続く。ずっと走ることはできないので、ちょっと走って、歩いての繰り返し。周りのランナーも似たような感じだが、自分のほうが上りのスピードがあるためか、一人また一人と調子良く抜いていく。
しかしその後、落とし穴が待ち構えていた。5Aまで残り7km辺りから比較的急なつづら折りの下りが続き、下りきったあとに発電所のそばの急坂を上る。
その前の下りから前後で走っていたランナーと話しながら歩いて上っていたが、彼のペースが速く自分のペースが遅いため、ついていこうと頑張ったのが良くなかったのかもしれない。
上りの歩きで使う筋肉が悲鳴を上げ、坂を上りきったときには疲労困憊。振り返ってみてもこの坂がレース中で一番辛かった。
そこからの下りと、続く牧場の平地でもダメージは残り、走り続けられないほど。フラフラの状態で5Aへ。
他のメンバーのペーサーで待つラン仲間と話すことでちょっとリフレッシュ。
おにぎりやらパスタやらスープやらチップスターやらをもりもり食べて英気を養う。
エイドから出て走り出すと、多少体力は回復している。
次のWAまでは歩いたり走ったりしながらそれほどひどくはないペースだった。
しかし次の6Aまでは上り坂もきつく、かなりめげた。
上りの歩きは相変わらずつらかったので、6Aにいたトレイナーの方にストレッチ方法を教わる。
6Aを過ぎるとゆるやかに。
戸隠神社では観光客も歩く参道を通る。ゆるかやかに上っている参道が1kmほどつづく。
参道を左に折れると遊歩道続く。周りにランナーもおらず、一人で走っていると心が落ち着く空間だった。
そして鏡池に到着。
ここは事前に、日が明るいうちに着いたランナーしか楽しめないスポットと聞いていたので、時間をかけて写真を撮ったり、スタッフの方に写真を撮ってもらったりと楽しんだ。
鏡池からすぐの7Aでは、味噌汁やらコンソメスープやらを楽しむ。
座って休んでいたら、スタッフの方が「なんでも言ってください、とってきますから」と。
ペーサーをつけなかった自分にとっては、こういう心遣いが非常にありがたかった。
周りはだんだん暗くなって来てはいたが、ライトをつけるのななんとなく面倒だったのでそのまま8Aまで押し切った。
最後のほうはかなり暗くなったので、前のランナーからあまり離れないように注意した。
90kmを超えて8Aへ到着。
残り20kmをきってくると、ようやく終わりが近づきつつあることを感じるようになる。
最後にキツイ山があることは知っていたので、8Aではしっかり補給し、ストレッチし、ライトを装備して出発。
最大の難関、瑪瑙山は予想以上にきつかった。到底走れる上りではない。
しかも長く、はるか上を歩いているランナーの明かりが見えるのがまたつらい。
周りもつらそうでこんなに弱っている自分にも上りで抜かされる人がいたほど。
苦労の末、瑪瑙山を上りきり、頂上付近で他のランナーと、あとは下りだけウィニングランだと話していたのもつかの間、もう一つある小さいと思っていた上りも意外ときつく萎えた。
その後も、おそろしくきつくはないが真っ暗で走りにくい道が続く。
苦しみながらもゴールまでの距離は近づいてくる。
すると、ちょうどタイム的に16時間を切れそうなことがわかり、そこからは最後の力をふりしぼって走る。
結構力って残っているものだ。
無事16時間をきってゴール。
練習不足ということもあり、途中の上り、そしてラスト瑪瑙山の上りでは苦しめられたが、全般的には楽しむことができたレースだった。
完走証の盾もユニークで、また出てもいいなと思えるレースだ。
今回、1ヶ月ほど前にレーシックの手術を受けたということもあり、手術後初のレースで、しかもヘッドライトをつけて走る時間帯もあるということで多少不安もあったが、大きな問題なく走り切れてよかった。