DVDを観る気がしなくって、薄めのこの本を読むことに。
恋愛の話かと思いきや、そんなスウィートな話ではなく、人間の話だった。
小さい頃に親戚の家を転々としながら育ち、人に嫌われないように生きてきた主人公。
祖父の影響もあって、人を信じず、人が自分に何を求めているのかを探ってそれに応えるように反応することが染み付いている。
人って淋しいものだと感じながら生きている。
恋人関係にある相手にも嫌われたくないから別れの言葉は口にしない。
他に女がいることは、相手にはバレていても、嘘をついてその場を凌ぐ。
自分はうまく嘘をつけていると思っているが、相手には伝わっている。
そして、自分が一番の寂しがりやだということを指摘される。
愛とは何か。
相手に何をしたくて、何をしてもらいたいのか。
どこからその感情が生まれているのか。
そういったモヤっとしたものを、読者に対して問いただしている気がする作品だった。