【TV評】 多くの人に見てほしい「NHKスペシャル 沖縄戦・全記録」

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2015年6月14日に放送された「NHKスペシャル 沖縄戦・全記録」。
NHKの力の入れ様がひしひしと伝わってくる力作。圧倒された。

 
例えば、日米軍の当時の関係者へのインタビュー。
沖縄住民へのインタビュー。
米軍が記録している映像。
沖縄返還前後の時期に、沖縄の人々が戦争体験を語っているのを録音したテープ。

特に興味を惹かれたのは、ジェームズ・バーンズ曹長(Sgt James M. Burns)が残した「OKINAWA DIARY」の存在。
okinawadiary

彼は後にピュリッツァー賞を受賞するも、沖縄での経験についてはその後一度も本にしていないという。

 
そして、糸満市役所に保管されている、非公開扱いの沖縄住民の戦死者情報の解析。
日別にどのエリアで何人の民間人が亡くなったかをグラフで表示。
graph

これはインパクトがあった。

これらの膨大な資料から、沖縄戦の全体像を掴もうとする執念が感じられた。

 
番組から伝わってきた点、初めて知った点は、以下のようなところ。

・住民の死を恐れない心持ち(「切り込み」と呼ばれる、手りゅう弾を抱えたまま敵の陣中や戦車の下に飛び込み体ごと爆破する手法すら恐れていなかった)。
・アメリカ軍の兵力の大きさ。
・シュガーローフヒル(現在の住所では沖縄県那覇市おもろまち1丁目6番地の辺りとのこと)の攻防の存在。
・防空壕、ガマの多さ。
・伊江島の死者の多さ(空港があったことにより、米軍には制圧する必要があった)。
・南部の喜屋武での身投げによる自決。
・いまだに毎年何体もでてくる遺骨。
・(海で隔絶されている沖縄ならではなのか)住民の疎開はすすんでおらず、やむなく戦争に巻き込まれていく。

 
数多くの遺体の映像や、米兵が死体に向かって発砲する映像など、ショッキングな箇所も見受けられたが、内容に重みがあり見応えがあった。

今年は戦後70年。当時17歳の人が現在87歳。
これからの5年、10年でより戦争が遠いものになってしまうことを痛感。

iejima
3000人の島民のうち、半数が戦死した伊江島。
これからは、タッチューを見るときにもいろいろ考えてしまいそう。

2015/6/26現在はYouTubeで同番組を見ることができる。
少しでも多くの人に見てほしい内容である。


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