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江國香織さんの短編集「号泣する準備はできていた」を読んで

号泣する準備はできていた

江國さんの小説に接するのは、先日読んだ『つめたい夜に』に次いで二作目。 『つめたい夜に』でもそうだったが、言葉を選ぶセンス、表現の切れ味がずば抜けている。 そして、普段自分が無意識に漠然と思っていることを言葉にしてくれる・・・

江國香織さんの短編集「つめたい夜に」を読んで

名前はもちろん知っていたが、作品をちゃんと読むのは初めての作家さん。 友人から借りて、初めて接することができた。 読みやすさを気づかってくれたのか、小説の短編集だった。 なんだろう。 子どもや老人が登場する話がいくつかあ・・・

ベストセラー作家・池井戸潤氏の最新作「陸王」を読んで

陸王

初めて接する池井戸潤氏の作品。 ランニングシューズ×中小企業経営というところが、自分の境遇とも通じるものがあり、珍しく単行本を購入。   結果的には、文章のテンポがいいとも思えず、独自色が強い内容とも言えず、目・・・

異類婚姻譚/本谷有希子著

いるいこんいんたん

文庫でない本を久しぶりに購入した。 それはひとえに、劇作家としての才能に一目置いている本谷有希子氏による著作であるから。 そして、芥川賞の受賞作であることも、もちろん興味をひく一因となった。 本書には、表題作の「異類婚姻・・・

風紋/乃南アサ著

ふうもん

乃南アサの長編小説を読むのは初めてだ。 もしかすると、彼女の作品自体に接するのも初めてかもしれない。 本書は家族からの貰い物。ストーリーをまったく知らないまま電車での移動中の供に良いかと思い手にとった。 そこに間違いはな・・・

模倣犯/宮部みゆき著

もほうはん

上下合わせて1,400ページを超す、圧倒的なボリューム。 読み終わって強く思うのは、救いがあるラストで良かったということ。 どっぷりとこの世界の中に入りきって、打ちのめすだけ打ちのめす終わり方だったら、精神的につらかった・・・

リヴィエラを撃て(高村薫著)を読んで

十年ほど前に一度読んだことがあったものを、再読。 丹念に取材した内容を骨太な小説に落とし込む手腕では、日本有数といっても過言ではないだろう。個人的に、この作者にはかなり信頼を置いている。 本書も上下にわたる大作ではあるが・・・

骨肉の倫理/石川達三著

こつにくのりんり

表紙をめくったところにこうある。 「人間はそのエゴイズムによって、他人に対するよりも、肉親(=骨肉)を激しく憎む。むしろ骨肉であるがゆえに憎悪は他人に対する場合よりもさらに激化する」と。 本書は昭和30年代に書かれたもの・・・

舟を編む/三浦しをん著

ふねをあむ

三浦しをん著のベストセラー、映画化もされている。 話の内容もうっすらとは知っていて、興味は持っていた。 今回、一年ほど前に、楽天koboのキャンペーンを利用して無料でダウンロードしていたのを、ようやくiPadで読んでみた・・・

タイを舞台とした小説「愉楽の園」(宮本輝著)を読んで

ゆらくのその

かなり好きな部類に入る、作家の一人、宮本輝。 大阪への往復の移動の際に読もうと、本書を手に取る。 もともとは文藝春秋に連載されていたもので、連載期間は1986年5月号~1988年3月号まで。 舞台はタイ、バンコク。 80・・・

長崎ぶらぶら節/なかにし礼著

ながさきぶらぶらぶし

長崎には少なからぬ縁があり、本書をチョイス。 ただし、どうもこのタイトルは好きになれない。 舞台は明治15年頃から、昭和の前半にかけての長崎。 芸者という稼業について。 色気があれば休む間もなく口説かれるし、色気がなけれ・・・

ゴールデンボーイ/スティーヴン・キング著

「刑務所のリタ・ヘイワース」と違って、こちらはホラーというか、サスペンス要素が強い。 ただ、前半がやや間延びする。その理由の一つに、翻訳ものだということがあるだろう。訳が悪いとのではなく、固有名詞を含めて考えながら読まな・・・

刑務所のリタ・ヘイワース/スティーヴン・キング著

『ショーシャンクの空に』の特典DVDボックスに、原作となったスティーブン・キングのこの小説も入っていて読むことに。 おおよそは映画と内容が同じ。 ただ、語り部たるレッドの色が強い。 また、映画では省かれている、細かい部分・・・

遠藤周作の長編小説「ただいま浪人」を読んで

自分自身も浪人経験があったこともあり、十年来読もうとしていたが、ずっと本棚の片隅にあり続けた本。 というのも、700頁を超す大作なうえに上下に分かれてもいないので、文庫といえども持ち運びにも不便だし、読み始めるのに気合い・・・

【書評・感想】 帰れぬ人々/鷺沢萠

好きな作家、鷺沢萠の短編集。 御殿場へ向かうロマンスカー内と、山小屋内にて再読。 短編ということもあり、読後に強い印象は残らない。 なので、以下、書評というよりも、気に留まった表現、箇所を記録にとどめておく。 川べりの道・・・

【書評・感想】 秘祭/石原慎太郎

石原慎太郎の作品を読んだのはこれが初めて。 200頁強程度のボリュームだが、なかなかに濃厚な雰囲気を醸し出している。 八重山諸島の小さな離島が舞台。 そこで年に1度行われる秘祭。 何が”秘”なのかは、知ってしまえば驚くほ・・・

【書評・感想】 蛇を踏む/川上弘美

芥川賞受賞作。 昔に読んだ川上さんの作品(たしか「ありがとう」)とは違った印象。 といっても、「ありがとう」がどんな作品だったかの記憶も曖昧だが。 大人向けのおとぎ話のような、夢の中の話のような。 ストーリーはあるが、ふ・・・

【書評・感想】 剣客商売/池波正太郎

数年前に友人から誕生日プレゼントとして貰ったうちの一冊。 今まで二の足を踏んでいたのは、そもそも自分が歴史小説、剣豪小説に関心が薄かったことと、本作のタイトルの固さ、そして、装丁というか表紙絵の固さにあった。 しかも、読・・・

【書評・感想】 見知らぬ私/綾辻行人・鎌田敏夫・鷺沢崩・篠田節子・清水義範・高橋克彦・松本侑子・森真沙子

一話ずつ作者が異なる、短編ホラー。 綾辻行人や鷺沢萠など著名な作家で固められている。 どの作品も面白さはあるが、やはり短編は短編。 個々の作品の印象は薄くて、しばらくしたら内容を忘れてしまいそう。 ホラーという、非現実的・・・

【書評・感想】 バイバイ/鷺沢萠

DVDを観る気がしなくって、薄めのこの本を読むことに。 恋愛の話かと思いきや、そんなスウィートな話ではなく、人間の話だった。 小さい頃に親戚の家を転々としながら育ち、人に嫌われないように生きてきた主人公。 祖父の影響もあ・・・

【書評・感想】 十八歳、海へ/中上健次著

学生時代に読んだものの、内容をまったく覚えていなかったので再読。 18歳~23歳に中上健次が書いた短編作品をまとめたもの。 1946年生まれだから、時代は1964年~1969年。 テーマとしては、性、死、都会と田舎、音楽・・・

【書評・感想】 沈まぬ太陽/山崎豊子著

友人から借りたままでありながら、5冊からなるというボリュームに圧倒されたまま先送りになっていた作品をようやく読むことができた。 何よりも、基本的にノンフィクションをベースとしていることに、大きな衝撃を受けた。 (少なくと・・・

【書評・感想】 注文の多い料理店/宮沢賢治著

以前も一度読んだことがある本書をもう一度読んでみた。 一度読んだことがあるといっても幼い時ではなく、つい1、2年前の話。 言わずとしてた宮沢賢治の小説だが、私はこの作品が子ども向けの児童文学だということを知らなかった。 ・・・

【書評】 遠い海から来たCOO/景山民夫著

なんとなく読書熱に火がついてしまった。 三日連続で本を読むなんて、人生で初めてとまでは行かないが、5回とないであろう珍しい経験。 今までなかなか食指は伸びなかったものの、直木賞受賞作ということもあるし、親(おそらく父親)・・・

【書評】 自白/和久峻三著

連日の、一度読んだっきり本棚で眠ったままで内容も覚えていない本を処分するための読書。 しかも連チャンで法廷物。 『39 【刑法第三十九条】』と異なり、裁判官目線で物語は進行。 弁護人、検察官による攻防や裁判の進行にたっぷ・・・

【書評】 39 【刑法第三十九条】/永井泰宇著

昔一度読んだきり、内容も覚えていないままだった本を再読。 挟んであったレシートによると、 2002年12月28日の19時33分に、啓文堂書店鶴川店で購入している。 11年半前。そうそう行く場所ではない鶴川になぜ行ったのか・・・

【書評】 地を這う虫/高村薫著

高村薫の短編集を読み返した。以前読んだのは10年以上前か。内容も雰囲気もまったく覚えていなかった。 ただ、面白い。 短編集にもかかわらず、引き込まれるし、イメージが喚起され読後に余韻が残る。 小説の力を思い知らされた。 ・・・

【書評】 あらゆる場所に花束が……/中原昌也著

なぜこの本を買ったかの記憶がない。 もらった記憶もないから、おそらく何かで紹介されていたのか。 数年前、寝る前に読む本として枕元の本棚に置いてて、読もうとトライしたが読み切れなかったはず。 200ページもない薄い本なのに・・・

【書評】 海になみだはいらない/灰谷健次郎著

昔読んだことがある(であろう)本をあらためて読み直してみた。 本作には児童文学、すなわち子ども向けの小説が三作品収められている。 児童文学って何だろうということを考えながら読んでみると、フィーチャーされているのが先生だっ・・・

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