【ドラマ評】 演技者。マシーン日記/やすらぎの家/蠅取り紙

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engimono
『演技者。』とは、2002年から2004年にかけてフジテレビで放送されていたドラマのシリーズ。
ちなみに「えんぎもの」と読むらしい。

特徴としては、

・ジャニーズの誰かが主演をつとめる
・原作や一部端役など劇団とタッグを組む
・1作品あたり4話構成

といったところ。

劇団とタッグを組んでおり、しかも、それが大手の劇団ではなく中小の活きの良い劇団と組んでいることから、映像作品ではあるものの、かなり舞台寄りの作品となっている。

このシリーズは全てDVD化されているらしく、そのなかで数年前にどこかで購入した(完全に失念。王子かな)っきりになっていたDVDボックスのVol.6を、ようやく観ることができた。

マシーン日記

まずは、主演がV6の森田剛、原作が大人計画の松尾スズキという作品。

これは何はともあれ原作が強烈。
その原作に負けないように役者陣が身体を張ってガチで演技しているのがひしひしと伝わってくる。

森田剛はハマリ役。狂気を発していた。
塚本晋也の狂った演技はお見事としか言いようがない。恐ろしい。素晴らしいキャスティング。
松田美由紀も迫力あり。メイキングでは苦戦しているようだったが画面上に出さないのはさすが。

やすらぎの家

続いては、主演がTOKIOの山口達也、原作がPiperという劇団(初めて知った)の後藤ひろひと氏による作品。

きたろう、ナイロン100℃の大倉孝二、ほんこんというアクが強いキャラクターに囲まれて山口くんも生き生きと演技している。

ただ彼の、間の抜けた潜入捜査官というキャラクターが、しっかり染み込んでいるとは言い難く、ところどころ違和感を覚えた。

きたろう&大倉の両名は別の芝居で知っているとおりの安定感。逆に言うと驚きはなかった。
一番驚いたのはほんこんの演技。うまい下手はよくわからないが、親近感を与える自然な演技で好印象。別の芝居でも見てみたくなった。

ストーリー自体は可もなく不可もなく。
稲につくウンカという虫を終始飛ばし、そこからの視点で映像を動かすという発想は面白かった。
これは原作ではなく、演出の大根氏のアイデアだろうか。

蠅取り紙

最後は、主演が嵐の櫻井翔、原作が飯島早苗・鈴木裕美氏による作品。
20代~30代の5人の子供と母親を中心とした家族もの。

その年頃の人々が向き合う、結婚、就職、家族といった普遍的なものがテーマ。
そこに、旅行先のハワイで盲腸の手術後に麻酔から覚めない母親の、魂が日本に帰ってきてしまい子どもたちが慌てるというファンタジー要素が重なる。
脚本はお見事。良質なハートウォーミングなドラマに仕上がっている。

ただ、個人的には次女の旦那役の甲本雅裕の配役に疑問。もともと芝居を志していたという点でも、略奪したくなる魅力があったという点でも、描ききれていない気がした。

 
∽∽∽∽∽

このDVDボックスには特典として、しっかり過ぎるぐらいメイキングをまとめたDVDが入っている。
メイキング自体は見ていて面白いのだが、役者の素の部分をメイキングで見て感情移入しやすくなり、本体の作品が良く見えてしまうだけなら、むしろ入れないほうがいいのではないかと感じた。

全体としては見応え十分。
ただ、それなりに重い内容ではあるので、手元に置いておいて、何度も観たくなる類の作品ではないなとは思う。


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