「書評」カテゴリの記事 78 件

恩田陸さんの”本”にまつわるコラムに共感

10/30の日経社会面に、作家恩田陸さんのコラムが掲載されていた。 この方の文章を読むのはこれが初めてだったが、共感できる部分があったのでメモ。 まずは、読みかけの本について。 読みさしの本は、気になるものだ。挟まれたま・・・

FIGARO掲載の角田光代さんのエッセイ「旅する理由」を読んで

フィガロジャポンの7月号に、「旅する理由」という角田光代さんのエッセイが掲載されていた。 どうやら毎月連載しているわけではないようで、今回が旅特集だったがために掲載されてようだが、これがなかなか自分に刺さる内容だった。 ・・・

江國香織さんの短編集「号泣する準備はできていた」を読んで

号泣する準備はできていた

江國さんの小説に接するのは、先日読んだ『つめたい夜に』に次いで二作目。 『つめたい夜に』でもそうだったが、言葉を選ぶセンス、表現の切れ味がずば抜けている。 そして、普段自分が無意識に漠然と思っていることを言葉にしてくれる・・・

俵万智さんの「よつ葉のエッセイ」を読んで

父親から譲り受けた本のうちの一冊。 俵万智さんの作品に触れるのは、『サラダ記念日』、『もうひとつの恋』(2005年12月に書評)に次いで三作目となる。 いずれも80年代のもの。 以下、心に留まった箇所を記していく。 出会・・・

江國香織さんの短編集「つめたい夜に」を読んで

名前はもちろん知っていたが、作品をちゃんと読むのは初めての作家さん。 友人から借りて、初めて接することができた。 読みやすさを気づかってくれたのか、小説の短編集だった。 なんだろう。 子どもや老人が登場する話がいくつかあ・・・

ベストセラー作家・池井戸潤氏の最新作「陸王」を読んで

陸王

初めて接する池井戸潤氏の作品。 ランニングシューズ×中小企業経営というところが、自分の境遇とも通じるものがあり、珍しく単行本を購入。   結果的には、文章のテンポがいいとも思えず、独自色が強い内容とも言えず、目・・・

宮脇俊三さんのエッセイ「椰子が笑う 汽車は行く」を読んで

椰子が笑う 汽車は行く

宮脇俊三氏の著作は、数年前に「シベリア鉄道9400キロ」を読んだことがあり、その本は捨てずにとってある。 本作には昭和58年~59年頃に書かれた鉄道旅行に関する四篇が収められている。 以下、備忘録的に、心に留まった箇所を・・・

「ちょっとそこまで」(川本三郎著)の備忘録と感想

著者の川本三郎氏については、映画評論でその名前は知っていた。 本作は、タイトルのとおり、”ちょっと”した旅についてのエッセイ集で、1980年代の中盤頃を中心に、1990年頃までに書かれた作品。   以下、記憶に・・・

寂聴 般若心経/瀬戸内寂聴著

般若心経

特定の宗教に心酔しているなんて事もないし、各宗教に対する好き嫌いもないが、人間が作り出した「宗教」という仕組みには興味があり、それに触れられる機会は持ちたいと常々思っていた。 また、一方で、瀬戸内寂聴の人となりにも興味を・・・

彼らの流儀/沢木耕太郎著

かれらのりゅうぎ

沢木耕太郎氏のエッセイは、いつ読んでも、どれを読んでも、安心して読める。 本作は、様々な人の「流儀」にまつわる、33編からなるエッセイ。 毎度のことながら、沢木氏の文章が醸し出すペーソスに触れつつ、登場人物の様々な人生か・・・

アジア発、東へ西へ/岸本葉子著

あじあはつ、ひがしへにしへ

はじめて触れた作家。 当然かもしれないが、宮本輝や椎名誠らと比べると表現力や感受性に差はあるものの、この作者が自分の足で行っている場所がユニークで、またそこで出会っている人々も変わっていて、興味深く読むことができた。 そ・・・

異類婚姻譚/本谷有希子著

いるいこんいんたん

文庫でない本を久しぶりに購入した。 それはひとえに、劇作家としての才能に一目置いている本谷有希子氏による著作であるから。 そして、芥川賞の受賞作であることも、もちろん興味をひく一因となった。 本書には、表題作の「異類婚姻・・・

風紋/乃南アサ著

ふうもん

乃南アサの長編小説を読むのは初めてだ。 もしかすると、彼女の作品自体に接するのも初めてかもしれない。 本書は家族からの貰い物。ストーリーをまったく知らないまま電車での移動中の供に良いかと思い手にとった。 そこに間違いはな・・・

模倣犯/宮部みゆき著

もほうはん

上下合わせて1,400ページを超す、圧倒的なボリューム。 読み終わって強く思うのは、救いがあるラストで良かったということ。 どっぷりとこの世界の中に入りきって、打ちのめすだけ打ちのめす終わり方だったら、精神的につらかった・・・

革命社長/吉越浩一郎著

かくめいしゃちょう

一時期、異端の経営者として脚光を浴びていたトリンプの社長である吉越浩一郎氏。 その後、いろいろと問題があり、たたかれたりもしていたが、2005年に出された本書には、彼の経営の特長が示されていて、勉強になる点も少なくなかっ・・・

リヴィエラを撃て(高村薫著)を読んで

十年ほど前に一度読んだことがあったものを、再読。 丹念に取材した内容を骨太な小説に落とし込む手腕では、日本有数といっても過言ではないだろう。個人的に、この作者にはかなり信頼を置いている。 本書も上下にわたる大作ではあるが・・・

脳科学がビジネスを変える(萩原一平著)から学んだこと

のうかがくがびじねすをかえる

この一年の間、何冊か読んできた「脳科学」「心理学」から「ビジネス」を考える著作。 今まで読んできたものよりは、やや学術的というか、堅い本ではあったが、表現を易しくしてこの分野の専門外の人にもきちんと伝えようとする意図は伝・・・

骨肉の倫理/石川達三著

こつにくのりんり

表紙をめくったところにこうある。 「人間はそのエゴイズムによって、他人に対するよりも、肉親(=骨肉)を激しく憎む。むしろ骨肉であるがゆえに憎悪は他人に対する場合よりもさらに激化する」と。 本書は昭和30年代に書かれたもの・・・

舟を編む/三浦しをん著

ふねをあむ

三浦しをん著のベストセラー、映画化もされている。 話の内容もうっすらとは知っていて、興味は持っていた。 今回、一年ほど前に、楽天koboのキャンペーンを利用して無料でダウンロードしていたのを、ようやくiPadで読んでみた・・・

法医学のミステリー/渡辺孚著

初版が昭和53年と古い本ではあるが、血液型検査や父子鑑定から、戦後の政治関連の大型事件、はたまた婚前交渉がらみのやわらかい話まで、話題は多岐にわたり、興味を惹かれる点がいくつもあった。 以下、列挙する。 冤罪について。 ・・・

怪しい探検隊アフリカ乱入/椎名誠著

両親、特に父親が椎名誠好きで、家には何冊も本があった記憶がある。 自分自身は、椎名誠の本をちゃんと読んだ記憶はないが、家族の影響もあるし、雑誌のコラム等ではよく目にしていたので、ずっと身近には感じていた。 これも、父親か・・・

インド大修行時代/山田和著

いんどだいしゅぎょうじだい

今年あたり、休みをとってインドに行ってみようかなと思い、本書を手に取った。 まず、作者の旅の定義が面白い。 ・ガイドブックを持たないこと ・一人旅であること ・現地で詳細な計画を立てること ・貧乏旅行に固執しないこと の・・・

愉楽の園/宮本輝著

ゆらくのその

かなり好きな部類に入る、作家の一人、宮本輝。 大阪への往復の移動の際に読もうと、本書を手に取る。 もともとは文藝春秋に連載されていたもので、連載期間は1986年5月号~1988年3月号まで。 舞台はタイ、バンコク。 80・・・

長崎ぶらぶら節/なかにし礼著

ながさきぶらぶらぶし

長崎には少なからぬ縁があり、本書をチョイス。 ただし、どうもこのタイトルは好きになれない。 舞台は明治15年頃から、昭和の前半にかけての長崎。 芸者という稼業について。 色気があれば休む間もなく口説かれるし、色気がなけれ・・・

着想の技術/筒井康隆著

確か、だいぶ昔に、父から譲り受けた本のはずである。 作家がどうやって着想を得るのかについてのエッセイ集。 今まで読んだことがないタイプの本だったが、途中、難解な箇所があり、そこは読み進めるのに苦労した。 一方で、自己分析・・・

宇野千代が編集した「中村天風の生きる手本」を読んで

数年前に友人からいただき、途中まで読んだっきりになっていたものを、あらためて最初から読み返した。 中村天風が昭和30年代に行なった講演(作中では「講話」となっている)を、宇野千代が編集したもの。 まず、第一に、内容はとも・・・

ゴールデンボーイ/スティーヴン・キング著

「刑務所のリタ・ヘイワース」と違って、こちらはホラーというか、サスペンス要素が強い。 ただ、前半がやや間延びする。その理由の一つに、翻訳ものだということがあるだろう。訳が悪いとのではなく、固有名詞を含めて考えながら読まな・・・

刑務所のリタ・ヘイワース/スティーヴン・キング著

『ショーシャンクの空に』の特典DVDボックスに、原作となったスティーブン・キングのこの小説も入っていて読むことに。 おおよそは映画と内容が同じ。 ただ、語り部たるレッドの色が強い。 また、映画では省かれている、細かい部分・・・

もうひとつの恋/俵万智著+浅井慎平写真

普段、俳句や短歌を読むことはほとんどない。 ただ、俵万智さんについては、親が好きだったこともあり、幸運なことに私も触れる機会が時々ある。 本作は1988~89年に「月刊カドカワ」に連載された、浅井慎平氏の写真と俵万智さん・・・

死の壁/養老孟司著

養老さんの本は、遠いむかーしに読んだことがある記憶が微かにある。もしかすると、それは本ではなく雑誌のコラムか何かだったのかもしれない。 おそらく、脳に関するテーマだったはずで、興味深く読んだのは覚えている。当時、氏は医学・・・

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