【書評・感想】 ついこの店で買ってしまう理由/博報堂パコ・アンダーヒル研究会

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tuikonomisede

主に実店舗での、施策について書かれた本。
ネット上での施策にも活かせる部分があるのではないかと思い手に取った。

以下、参考になった点。

・アメリカで、昔のように週末にスーパーマーケットで大量に買い込むスタイルでのショッピング(計画購入)は影をひそめ、今の分しか買わない、買う前の準備をしないという行動が増えている

・仮説を持つことは大事だが、最初から色眼鏡で見てしまうと、その先入観どおりにしか見えないもの

スーパーでの買い物の約60~70%は計画外の買い物

・入店してきた買い物客は、入口を入ってすぐの「ランディングゾーン」で、その店になじむための準備や調整を無意識に行っている。そのエリアで商品をアピールしても素通りしてしまう。むしろ雰囲気を演出することが望ましい。

・「見せ場」と「売り場」を分けて作る。「見せ場」のチェックが店舗に入らずにできてしまうのはNG

・キレイすぎる(隙間のない)陳列は見るためだけのディスプレイと判断され手にとられないのでNG。

・客の動線を考える。人はカニ歩きしないので、商品は通路に対して斜めにディスプレイすると良い

・右利きが90%、それに配慮した店づくり

・メッセージはマシンガンでなくライフルであるべき。本当に必要な情報に絞り込む

・買う商品が決まっている人は、まっすぐに買う商品のもとへ向かう。そして用を終えてから、他の売り場を見たりお店のセール情報を見るなど視野が広くなる。すなわち入店時の客の視野は狭い。アピールしたいものは、入店した直後の客ではなく、店から出ようとする客に見せるようにしたほうが良い場合もある。

人は高いものが嫌なのではなく、割高なものを買わされるのが嫌。価格をただ表示するのではなく、価格の意味を伝えることが大事。値段が高い商品は、なぜその値段が高いかを説明すべき。人はいちばんいいものを最初に知ってしまうと、それから下に下げたくなくなる

・商品売り場の通路にイス等を置くと、そこにできたでっぱりが安心感を生み、立ち止まりやすくなる。そのイスに座らせなくてもいい。

・販売員と客との親近感を生み出すには、天井を低くする、もしくはペンダントライトを下げる、囲いで囲う。

・買い物カゴを使う人は、使わない人よりも購入点数が上がる。

男性はスペックを、女性はリザルトを買う。デジカメの画素数と、実際の写真の(もしくはカメラ自体のデザインの)美しさの違い。売り場のアピールポイントも変わる。

・ハンドバッグを男性が売ることは少ないのに、冷蔵庫はいまだに男性が売るほうが多いのはおかしい。

・子どもの視線は床と近く、親と話すために上を向くから天井もよく見ている。

客は商品に実際に触れることで情報を得るだけでなく、それが「所有の疑似体験」となって、「自分はこれを買ってもいいんだ」という「安心感」と「自信」も得ている。商品に触れたり、試着したり、試乗したりすると、購入率は高くなる。

・暗い試着室よりも明るい試着室のほうが、購入率は高くなる。

・ギフトは人の心をあたたかくする。だから、ギフトのパッケージングは店の目立つ場所で行ない、ギフトをするつもりではない他の客の購買意欲を刺激するのが得策

・通路が狭かったり、入口の陳列が前面に出過ぎで威圧的だったりすると、客はそのエリアに足を踏み入れない

・スーパーやドラッグストアのPOPは店員が驚くぐらい見られていない

・とある日本の家電量販店での調査より

■デジカメ 購買転換率10.7% 男7.5%、女19.1% カタログ接触29.3%(読んで持ち帰る人がもっとも多い) 店員接触26.0% 購入者のうち事前にメーカー、もしくは機種を決めていたのは6割

■洗濯機  購買転換率17.9% 男7.5%、女19.1% カタログ接触26.9%(読まないで持ち帰る人がもっとも多い) 店員接触37.3%

・洗濯機売り場では、多くの人が、値段も見ずにまずは蓋をあける習性がある。洗濯機内にPOPがないのは機会ロス。

 
挿し絵が多く、さらっと読めてしまう本。それだけに頭にも残りにくい内容ではある。


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