【書評】 39 【刑法第三十九条】/永井泰宇著

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

昔一度読んだきり、内容も覚えていないままだった本を再読。

挟んであったレシートによると、
2002年12月28日の19時33分に、啓文堂書店鶴川店で購入している。
11年半前。そうそう行く場所ではない鶴川になぜ行ったのか、まったく記憶にない。
でも、買った際のレシートを挟んでおくのはその時の情景を時間が経ってから思い起こしそうで面白い試みではある。

本作は確か映画化もされた作品。
タイトルのとおり、刑法の心神喪失もしくは耗弱絡みの事件の話だということは覚えていた。

以下ネタバレあり。

 
メインの事件といい、そのきっかけとなった事件といい、いずれもひどい犯行の態様で読んでいて暗澹たる気分とさせられた。

精神鑑定人がフィーチャーされていたり、もとは同じ弁護人側チームの鑑定人の一人、しかも女性鑑定人が有能な上司に反して検察側につくといった展開、復讐という動機、多重人格を装う詐病といったエッセンスは、まさに映像向きの内容ではある。

ただし、小説作品として捉えると、インパクトはあるものの引っ張り方が甘く、入り込む前に終わってしまったという印象。

個々の登場人物を深掘りしてもらえないと物足りない。テーマや切り口が悪くないだけにもったいない印象。


サブコンテンツ