【書評・感想】 秘祭/石原慎太郎

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hisai

石原慎太郎の作品を読んだのはこれが初めて。
200頁強程度のボリュームだが、なかなかに濃厚な雰囲気を醸し出している。

八重山諸島の小さな離島が舞台。
そこで年に1度行われる秘祭。

何が”秘”なのかは、知ってしまえば驚くほどのものではないが、外部の者にはその秘密を洩らさない島の人間の秘密主義ぶりや、外部の者を歓迎しない姿勢には、隔絶された土地で生きる人々の、どんよりとしたものが渦巻いている心持ちがひしひしと伝わってくる。

そして、日々蓄積されている外部の者への反発心を、秘祭の場で、ルールを侵した外部の人間に対してここぞとばかりに爆発させる。まるで、罠にかかるのをずっと待っていたかのように、過剰な暴行を振るう。
危害を加えられた側も、ルールを侵した負い目があるため強く出れず、泣き寝入り。

八重山に離島は多いが、台風が来れば外部とほぼ隔絶されてしまうほどの立地ゆえに成立する話。

ストーリー中、度々登場するツクントゥモラと呼ばれる海辺の浜でのセックスシーン。
作者がこのシーンを重視していることがわかるし、南国の浜辺の風や、潮の香りが感じられるようなシーンである。


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