実店舗を構える書店の現状

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日経朝刊に書店に関する興味深い記事が載っていた。

国内の大手書店チェーンが軒並み苦戦する中、TSUTAYAを運営するカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)が堅調とのこと。

・2013年の書籍販売額は1130億円と、前年比で3%増
・書籍を扱う店は前年より46店舗増えて742店舗
・既存店売上高は前年比1%程度のマイナス

そんなに堅調とみなされているCCCですら、既存店売上高は前年割れというのが厳しい業界の状況を物語ってはいる。

そして、何より驚いたのは、今やCCCが国内の書籍販売で6.7%のシェアを握る実店舗の最大手だということ。

その勝因はデータの徹底的な重視。

当たり前と言えば当たり前だが、TSUTAYAで本を買う客の実に75%がTポイントカードを提示する。
ここから集められるデータは莫大。
これを店舗でのフェアやコーナー作り、本の選定に大きく生きている。

他の書店からすれば、「本と出会う楽しみがない」「売れる本ばかり」と文句も言いたくなるだろう。本の目利きも不要となる。

売れ筋に絞ったことにより、TSUTAYAの標準的な店では、売上の2/3が雑誌とマンガが占める結果となっている。

他の大型店では、人と本との出会いを提供するため、売れ筋ではない本も並べる。
しかし、その結果、店頭で1年間まったく売れない在庫が全体の4割も占めているという。

ちなみに、国内に64店舗を構える、紀伊国屋書店の2013年8月期の書籍販売額は、
前年同期比2%減の580億円。すなわちCCCの半分程度ということになる。

書店数で見ると、2013年5月1日時点の書店数は全国で14,241店舗。
2003年からの10年間で4900店舗、率にして25%程度減っている。
国内の出版物の2013年の販売額は1兆6823億円。
2004年以降、年2~4%のペースで減少。2003年比では24%減っている。

他のエンターテインメントの出現など、本を読まなくなっている文化の変化もあるだろうし、Amazonのようなネット書店に食われている部分も大きいだろう。

自分を顧みても、書店に足を運ぶ時は、本を買う必要がある時ではなく、空いた時間を過ごす時、もしくはその書店という空間を楽しみたい時になっている。

書店好きな自分からすると、本と人との出会いを提供してくれる本屋に残っていってほしいが、決して本をたくさん買うわけではないので、売れ筋ばかり置いている本屋ばかりになったとしても、文句は言えないだろうなと思うしかないわけである。


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